木目金の素材作り
1、材料を炭研ぎし表面の脂気などをキレイに拭き取り、15ミリごとに糸鋸で切る。 各8枚、計24枚を重ねるので、隙間がでないようバリを両面とも、「きさげ」で削り取る。 2、超音波洗浄機で完全に汚れを落とし、24枚を種類を違えて積み重ねる。規則的でもよいし、所々順番を変えてもよい。 3、奥行き、幅ともに木目金よりやや大きめの炉を石綿で作る。石綿をコの字型に切り、これを重ねて上に蓋を置く。 この場合、石綿を5枚使用して木目金を完成へと導く。 4、地金を正面から火を当てともづけする。安定した強い火力が必要。熱が上がると地金全体が透き通った赤色になり、板の間から汗をかくような状態になったら割箸で上から軽く押さえて板の隙き間を無くす。
木目金の種類
木目金に使われる素材としては銀、銅、赤銅、四分一、黒味銅などがあり、自分で木目金を作る場合は融点の差が少ない種類を合わせるとうまくいきます。 また金と銀の木目金も可能です。 出来上がりの感じに影響が大きいのは、色の分量比です。 そこで地味になりがちなときは銀の白をきかせたり、また2種よりは3種を使ったほうが、やはり複雑な味わいが生まれます。 近年、結婚指輪に多用されている「プラチナ」を使用する場合は注意が必要で熱する方法や、地金の組み合わせで失敗すると、溶着しない失敗した地金が完成してしまいます。 よってプラチナを使用した木目金は価格が高額な事が多いのも事実です。
木目金の最終仕上げ
木目金は、色合いの違いと模様が見せ場です。複数の色合いを同時に着色するわけですから、着色の犠牲になる金属のことも計算にいれて、地金の配合を考える必要があるのです。 着色が悪いと効果は半減しますから、木目金にとって煮込み着色の工程はとくに大事になります。 木目金の模様は、一見して偶然にできるようですが、しかし最初はむずかしいものの、木目金に親しむにつれて、模様ができるシステムもわかってくるでしょう。 そうなれば、ねらった模様を意図的につくりだすこともでき、その作品が何枚重ねた木目金を使っているかなども、読み取れるようになるはずです。 最も簡単な模様のうず巻模様を例にとりますと、板の厚いうちに彫ったくぼみの木目は幅が広くなり、薄くなってからつけたくぼみの跡は小さく、狭い木目になります。