婚約指輪の現実

意外なことですが、左利きの人にとって結婚指輪は煩わしい指輪ということを友人が漏らしていました。世の中の9割の人達は右利きです。したがって世の中のほとんどのモノは、右利きの人が使いやすいようにデザインされています。

一番身近といえば、お茶を注ぐ急須(きゅうす)やハサミでしょう。左利きの人は、切実に我慢して使っているのです。その理由がよく理解できないのであれば、大きな文具店に行ってみましょう。左利き用のハサミがきっと置いてあるはずです。陳列品を手にとって試し切りをさせてもらえば、きっとその理由に納得するはずです。では家の外に出てみましょう。街角の自動販売機も右利き用です。正面の右側にコインの投入口があります。右利きの人は簡単に硬貨を投入できますが、左利きの人は、体をねじりながら硬貨を投入することになります。

もうひとつ。駅の自動改札機も右利き用なのです。通過するゲートの右側に切符の差込口や電子マネーの読み取り機が設置されています。左利きの人はカード(切符)を右手に持ち替えて読み取らせています。話を戻しましょう。左利きの彼女はスポーツウーマンでもありますから、テニスの時には結婚指輪を外してプレーします。彼女は結局、あの日に約束した指輪を右手の薬指にはめ直すことで問題解決ということでした。次にあった時、右手にあったはずの指輪がありません。「どうしたの?」と聞くと、指に付けていると家事の時にぶつけるのでチェーンに通してペンダントトップとして身に付けているということです。なるほど、臨機応変(りんきおうへん)に暮らしやすく…、が大切ですものね。見せてもらったペンダントトップは、キラリと輝く木目金の結婚指輪でした。

※ドイツでは結婚指輪を右手の薬指にしますので、日本の左利きと同じ状況です。今度ドイツの知人に実態を聞いてみる必要がありそうですね。