結婚指輪の作り方(たんぞうとちゅうぞう)

結婚指輪の作り方は、大きく分けて二種類あります。

一つ目の作り方は鍛造(たんぞう)です。読んで字のごとく、鍛えて作ります。刀の製造方法と同じで、整形が可能になる温度まで指輪にする金属を熱し、丹念に叩くことで金属に圧力を加え、同時に伸ばしながら整えて指輪の形にします。場合によっては曲げたり捻(ねじ)ることもあります。

もう一つの作り方は、鋳造(ちゅうぞう)です。この製法は、他の多くの金属加工で使われている製法で、まず初めに完成形の模型を作ります。その形を鋳型(いがた)と呼ばれる枠に写し取り、加熱して溶かした金属を指輪の型に流し込み、冷えて固まった後に型から取り出して完成といったながれになります。鋳造の歴史は大変古く、エジプト文明においても金の装飾品を作るために鋳造法が使われています。

その二つの製法にはそれぞれメリットとデメリットがあります。鍛造法では、金属に圧力をかけながら作るため、内部の気泡が少なくなり、滑らかで美しい表面光度の高い指輪ができます。一個一個全て手作りで、金属の密度が高く、鋳造の指輪と比べるとはるかに硬い表面になります。そのため結婚指輪のように長年着けていても傷が付きにくいというメリットがあります。

ただし、一本の指輪を作るのに時間がかかるということは、デメリットと言えるでしょう。一方、鋳造法のメリットは、型に流しこむだけで指輪の形ができるため、自由度の高いデザインが実現できるということでしょう。ダイヤモンドなどの宝石を固定するための爪がある指輪の台には、この製法が向いています。ただし耐久性としては鍛造法に劣り、長年着けていると表面の輝きがくすんだり、傷ができてしまうデメリットがあります。木目金の指輪(結婚指輪)は前者の鍛造法で作られますので、結婚指輪の適性としては優れています。