監修者プロフィール

運営者からのご挨拶

はじめまして。金工職人の髙田邦雄（たかた・くにお／Kunio Takata）と申します。京都・東山の静かな一角にある工房で、木目金（もくめがね）という日本古来の金属工芸技術に、23年にわたり向き合ってまいりました。

私の工房は、舞妓さんが行き交う祇園界隈、古門前通にございます。この通りは、浄土宗総本山・知恩院の門前町として栄え、今も江戸末期の風情を色濃く残す古美術と骨董の町です。白川が流れる石畳の祇園新橋、格子戸の町家、すれ違う和傘の影。そんな歴史的景観保存地区の空気に身を置き、私は日々、金属と語らい、模様と向き合っております。

木目金との出会いは20代。ブライダルリングのオーダーメイド事業をしていた際、お客様からの「木目金の結婚指輪を作ってほしい」とのご依頼がきっかけでした。そこからこの技法の奥深さ、揺らぎのある模様の美しさ、金属とは思えない有機的な手触りに魅了され、気づけば「木目金」が人生の中心になっていました。

私が得意とする杢目金は、継ぎ目、切れ目のない木目模様が指輪を一周し、内側まで模様が続く杢目金です。※注：私の作る杢目金全てがその仕様ではありません。その様に注文いただいた時のみ行います。
そのすべてを、私ひとりの手で、一点一点、最初から最後まで仕上げて「本物の杢目金」を作り続けております。機械やコンピュータは一切使わず、昔ながらの手法と、火と槌と静かな時間だけが、道具です。

なぜそこまで「手」にこだわるのか。
それは、京都の町並みに通じるものがあるからです。
時代が変わっても変わらないものの中にこそ、強さと美しさがある。 そう信じているからこそ、私は「京都に住み、京都で作る」ことに意味を感じています。

このウェブサイト「mokume-gane.co.jp」は、そんな私の杢目金愛の結晶です。まだこの技法を知らない人にも、もっと深く知ってもらえたら——。京都の町と同じように、何度訪れても新しい発見があるような場所にしていきたいと思っています。

木目金という美しい層が、あなたの心に何かを残してくれますように。
— 髙田 邦雄

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運営者・監修者プロフィール

髙田 邦雄（Kunio Takata）

活動と実績

• 東京・名古屋・京都・大阪・神戸にてワークショップ開催
• 指輪制作の指導歴：15年以上
• 工房は歴史的景観保全修景地区に所在

工房周辺の特徴

• 京都市によって歴史的景観保全修景地区に指定される地域に拠点を構える
• 知恩院、祇園新橋、白川、古美術街といった「京都らしさ」に囲まれた環境
• 町家の一角で、金床の音だけが静かに響く工房を運営

趣味・人柄

• 性格：几帳面で、一つひとつの作業に妥協せず取り組む性分です。
• 趣味：京都の町歩き、骨董探訪
• 特技：身体と心を整えるために、柔術という武道を続けています。
• 好きな言葉：「人間万事塞翁が馬」──ものごとの価値や意味はすぐには分からない。だからこそ、目の前の仕事と丁寧に向き合うことが大切だと信じています。

木目金の模様は、火と金属と時間が作り出す、世界に一つだけの記憶です。
削り出すごとに表情を変えるその層に、私は心の振動を見ています。
京都という町で、いつかお会いできる日を楽しみにしております。