結婚とは誰に誓うもの?
誓うということは、人生の中でめったにあることではありません。お正月の書き初めは、ある種の誓いかもしれませんし、進学のために入学の目標を誓ったり、スポーツの全国大会で優勝を誓うこともあります。資格をとるために誓いをたて、神社にお参りして禁煙を誓うこともありますね。
自分の意志を自分に約束することで、目標達成の「モチベーションを高めるシルシ」が誓いです。生涯において様々な誓いがあるでしょうが、結婚の誓いほどカッコイイ誓いはないと思います。自分ばかりではなく結婚相手と共に幸せになろうということを生涯誓うのです。結婚式で神への言葉として「富めるときも貧しきときも、病めるときも健やかなるときも、死がふたりを分かつまで…」と参列者と共に誓うということには、他の誓いとは比べ物にならない重みがあります。
正式な夫婦となるために役所に婚姻届を提出すれば社会的に認められるのですが、それはあくまで提出書類でしかありません。同じ屋根の下に住んでいても心ひとつでなければ、宣言はウソになってしまいます。仕事の忙しさにかまけて、相手を気遣うことができない時もあるでしょう。結婚したことで煩わしと思う場面もあるでしょう。
そのときの頼りになるのは、誓ったという事実なのです。自分の気持ちが通じず、握り締めた手の薬指に着けた木目金の結婚指輪を見つめ、二人で手作りの家庭を築くと誓った日を思い出してください。きっと絡まった糸をほどく初めの結び目が見えるはずです。