冠婚葬祭と指輪

結婚することで家族が2倍になり喜びも嬉しさも2倍増とはなりますが、お祝いやお悔やみの機会も増えますので、TPO(ティーピーオー※1)に応じた身だしなみに心がける必要があります。

冠婚の場合はお祝いですから、アクセサリーも華やかなもので問題ありません。結婚指輪ばかりでなく、たまにしか登場できない婚約指輪も着けられますから嬉しい限りです。

ただし葬祭となると、故人を悼むという意味で身だしなみには気配りが必要です。冠婚葬祭の宝石といえば真珠が挙げられますが、台座にダイヤモンドがあしらわれているデザインは、葬祭の黒い衣装では目立ちますので、避けたほうが良いでしょう。また結婚指輪でも複数の小粒のダイヤモンドが敷き詰められているパヴデザインの指輪は、控えたほうが良いかもしれません。

欧米では弔意を表すため、木が化石化して黒くなったジェットで作られた手作りの指輪や暗色系の光らない石のアクセサリーを身につけます。どうしたらよいか悩む場合には、喪主に近い親族に相談してみてはいかがでしょうか?葬祭の場合は、何度か出席した経験のある方にアドバイスしていただけると、慣習の良い学びになります。いずれは同じようなことを若い人たちに伝えなければならない立場になるのですから、社会的儀礼を知ることは、日本の社会で生きる術(すべ)を知るという意味で大切です。木目金の指輪(結婚指輪)であれば、どのような装いにも合いますので外す必要はありません。

※1:TPO(ティーピーオー)

石津謙介氏が提唱した和製英語です。Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合)の頭文字をとっています。時と場所、場合に応じた装いや身だしなみを使い分けるという意味です。