手作りの美:蛇の目傘

私達が提案する木目金の手作り結婚指輪も、実は気の遠くなるような数多くの工程を経て作られるのですが、日本には負けず劣らず手間と時間をかけて作られるモノ作りがあります。

和傘もその一つです。今ではほとんど手にすることのない日用品です。コンビニエンスストアに行けば、ワンコインで手に入れられる傘です。それに比べ和傘は、日本製であれば、少なくとも一万円が最低価格です。和傘は全て手作りです。

まず竹を割り、傘の構造となる親骨、小骨作りから始まり、骨をつないで結んでいく「つなぎ」、そして熟練の技術を要する「紙貼り」、骨と骨の間に紙を内に向かって折込んで、傘を閉じるための折り目を絞り込む「タタミ」、傘の柄に籐を巻いて持ち手を作り、乾燥させます。基本的な形ができた後には、漆を塗って防水性と耐久性を高めます。

このように幾つもの工程を経て作られる和傘は、工芸品といえるでしょう。和傘の種類は、一つだけではありません。骨の数が48本ある羽二重傘、骨の数が44〜46本の蛇の目傘、さらに高価な傘の場合には、骨の数が50本以上使う物も有ります。骨の数が増えると工程も増えるため、職人の腕と経験が必要です。蛇の目傘でも京友禅染めで柄の入った紙が貼られた京友禅柄蛇の目傘は、大変華やかで、和服姿の舞妓さんが差せば、そのまま一幅の掛け軸になるでしょう。手作りで手間がかかる傘ですが、何時の世までも残って欲しい日本の匠の品と言えます。