結婚指輪の材質
話は、はるかイギリスの王室に飛びますが、プリンス・オブ・ウェールズの結婚式においては、イギリスの南ウェールズで産出したウェルシュゴールドの結婚指輪が贈られます。やや赤みを帯びた色あいのウェルシュゴールドはプラチナよりも希少な金で、産出量が少ないため、南アフリカ産の金の3倍以上の値がつきます。
先日結婚したキャサリン妃も、ウィリアム王子のお母様のダイアナ妃にも、そして彼のお祖母様であるエリザベス女王もウェルシュゴールドの結婚指輪が贈られました。イギリス王室のこだわりといえるでしょう。
日本における結婚指輪はゴールド(純金)の結婚指輪がほとんどでしたが、最近の主流は、プラチナ(白金)です。少し話は横道に反れますが、白金とホワイトゴールドは同じものではありません。ホワイトゴールドを日本語に訳すと「白い金」ということになるのですが、ホワイトゴールドは、金とニッケル系金属(ニッケルの他に銅や亜鉛など)とパラジウム系金属(パラジウム、銀、銅など)の合金です。ホワイトゴールドは、主に14金ホワイトゴールド(K14WG)と18金ホワイトゴールド (K18WG)があります。18金のネックレス、あるいは14金イヤリングなどよく目にされるはずです。
木目金も材質的には、数種類の色の違う金属を合わせたものですが、ホワイトゴールドとは全く違います。ホワイトゴールドのように溶融させて合金にするのではなく、色合いの違う金属を圧着し、伸展して作ります。そのため、ホワイトゴールドの色が単色であるのに対して、木目金にはそれぞれの金属の色が、独自の色として残り、表面に美しい木目の模様を描きます。何と味わい深い個性的な材質ではないでしょうか。